在宅医療を核に、地域の未来をつくる。台湾・員郭醫院「未来室」で出会った共生のかたち。
台湾3日目・午前の部。
員郭醫院に併設された「未来室」(員郭共生実験基地)を見学。
員郭醫院は8年前に開設されたコミュニティホスピタル。リハビリを中核に高齢者医療・ヘルスケアを提供している。
ここに台北で活躍していた郭先生がジョインし、在宅医療を中核に積極的かつ創造的な地域づくりが行われている。
日本で言えば、Team Blue とおうちにかえろう。病院に近いか。しかし、員郭は病院から在宅へ、という順序がTeam Blue とは逆向きだが、共通点も多い。
未来室は地域との接点となる図書室やオープンキッチン、中医診察室を入り口に、2階には歯科とリハビリ、3階には在宅医療の診療基地と患者教育センターが配置されている。
コミュニティホスピタルと在宅医療は、顧客層が重なり、フェイズごとに異なるニーズに相互補完的に対応できる。なので、もともと相性がよいのだが、この病院が他と一線を画すのには3つのポイントがある。
一つはデザイン。
建物やサービス、ネーミングやコピーなど、センスがよい。地域の人も、そこで働く人も、素敵だなと感じるし、メディアにとっても在宅ケアを具体的なイメージで捉えやすい。
二つ目は多職種チーム。
中医、歯科、栄養、臨床宗教士まで包含したトータルの支援体制が構築されている。病院がバックにあるので高度な検査が必要な時は病院と連携できる。
三つ目は財務基盤。
診療規模はまだそこまで大きくないが、潤沢な地域交流スペースを持つ美しい建物があり、さまざまな検査機器・治療機器が確保され、地域食堂や図書館、畑や雨水貯蓄システムなど、通常の在支診では難しい先行投資が行える。
郭先生はとてもビジョナリーで、法人も含め行動力がある。
これらはこの在宅診療チームを地域で差別化するとともにメディアにも訴求しやすい。実際、8月には台湾の総統も見学に来られたとのこと。これらも含め、ブランディングにも成功しているし、これは患者紹介のみならず医療専門職のリクルートにも有効だろう。
地域に密着したコミュニティホスピタルの一つの成功モデル。
もちろん、イメージだけでなく、きちんと内容が伴っていることが、その成功の最大の秘訣だと思うが。
佐々木淳






