住み慣れた家で暮らし続けるために―自費介護が広げるケアの選択肢
千葉の老人ホームで訪問診療と40人のワクチン接種を終了させて、新橋にUターン。今日は自費の介護サービスを提供するイチロウさんの10周年のイベントに登壇させていただきました。いまなんと7万人も登録しているヘルパーさんがおられるんですね。
介護保険の要介護度に応じた短時間のポイントケアだけでは、現状、ケアニーズが満たせていないと思う。
一人が不安というご本人、一人で置いてとくのが不安というご家族。特に体調が不安定になった時に、一時的に増大するケアニーズに応えられないと、医療ニーズが低くても多くは入院が選択される。一見安心。しかし、要介護高齢者は入院死亡率も高いし(要介護4-5だと約25%が死亡退院)、2/3は自宅に戻れず、そして退院できても要介護度は悪化し、家族の介護負担はますます重くなる。
海外ではアテンディングケア(長時間、介護者がつきそう)が一般的。これがあるから急性期や移行期、そして終末期もしっかりみられる。
もちろんポイントケアでもある程度できる。しかし、できないこともある。そんな時、患者または家族は施設入居を選択する。施設に入りたいんじゃない。アテンディングケアが必要だから。そしてアテンディングケアは在宅では提供されないから。
施設入居にはお金がかかる。
都内の有料老人ホームだと、30万、40万、1ヶ月にかかるケースも少なくない。それだけお金を払えるなら、自費のヘルパーさんに自宅に来てもらって、介護保険で足りないところをある程度埋めてもらうことができるんじゃないか。そっちのほうがQOLが高いんじゃないか。
なんかそんなことを思う。
日本では自費介護は流行らない、という。
しかし、流行らないんじゃない。9割引きのサービスがあるから、サービスの選択肢として育たなかっただけ。
そこに確実にニーズはある。
それに対して、施設入居という代替選択肢しか準備してこなかったのは業界の責任。
いまさら感はある。
だけど、日本にもアテンディングケアを提供しうる介護サービスがもっとあっていいと思う。
不安定な時期だけでも、こういう選択肢があれば、入院や入所という選択を避けられる人がもっといるんじゃないか。
たとえ自費であったとしても、トータルのコスパはむしろ高いんじゃないか。
悠翔会で一緒に働いてた仲間が、こういう新しい仕事の開拓に関わっているのも面白い。
イチロウさんには頑張ってほしいと思う。
そして新しいケアの選択肢を開拓してほしい。
佐々木淳
