外野にいる私たちが今できること
今、「外野」にいる私たちは、何をすべきでしょうか。
第一は、勝手に動かず、現地の声を待つこと、現地に駆けつけるだけが支援ではありません。
頼まれていない物は送らない。個人的なつながりで被災者や自治体に「何度も」問い合わせない。SNSで未確認情報に脚色を付けて拡散しない。公式情報の確認、自治体からの公的ボランティア募集開始を待つ・・・私は、救援時には「待つ力」の重要さを痛感したことが何度もあります。
第二は、使い道を限定しすぎない資金を信頼できる窓口へ届けること。
物資は輸送、保管、仕分けに膨大な人員を必要としますが、資金は、刻々と変わる現地需要に合わせた活用が可能です。被災者に直接配分されるのが「義援金」、支援団体の活動を支えるのが「支援金」なので、その違いを理解し、自らの意思にそって支援することです。
熊本県・熊本市は義援金を、日本財団は現地で活動するNPO・ボランティア団体への支援金を受け付けています。(熊本県の義援金窓口、熊本市の義援金窓口、日本財団の支援)
第三は、専門職は「今すぐ!!」ではなく、「要請時に動ける準備」をすることでしょうか。
災害救援時の主役は支援者ではなく、あくまで熊本の人々です。熊本を再び立て直していく人々が何を求められるのか、今、「外野」に必要なのは、善意の大きさを競うことでもなく、速さを競うことでもなく、現地の声を聴き、求められる時まで準備し、求められたことを確実に実行し、そして忘れずに伴走することだと、思います。
急いで駆けつける善意と静かに待ち、長く支える善意のバランスを意識したいと思います。
これは災害支援・難民支援に長く関わってこられた日本財団の喜多先生のブログから。
大切なことがまとめられています。
ぜひご一読いただきたいです。
https://www.shf.or.jp/blog_chair/28833
発災から3日が経過していますが、救出作業も継続されています。DMATの招集範囲が拡大されていること、一方でJMATは先遣隊のみ(九州各県待機中)であることを考えると、災害はまだ「急性期」と考えるべきでしょう。
保健師や精神保健や歯科口腔の専門家も早い段階から支援活動を開始していますが、そろそろ避難所などでもケアニーズが気になるところ。ここはPCAT調査隊が評価してくれるでしょう。
まだ、発災後、休むことなく現地で踏ん張っている訪問看護師さんたちへの支援は、現地に行かなくてもここからできます。
https://smart-supply.org/…/kum…/6a698d4870c94d92d6f59618
今日も支援は着々と進んでいます。
本日現時点での各組織・団体の状況を共有します。
■厚生労働省
19報:7月31日7時30分
熊本県からの追加要請に基づく保健師等チームの派遣先・開始日を公表。
要請主体:熊本県
派遣調整:厚生労働省健康・生活衛生局健康課
対象職種:保健師等。各チームの詳細な職種構成は未公表
派遣先・派遣元・開始日
熊本市:宮崎市=7月31日、北九州市・福岡市=8月1日
八代市:宮崎県・大分県=7月31日
宇城市:福岡県=7月31日、沖縄県=調整中
宇土市:鹿児島県=7月31日
氷川町:佐賀県=8月1日
美里町:長崎県=7月31日
活動終了日:未公表
応募条件:一般公募ではなく、自治体間の組織派遣のため設定なし
指揮命令系統:熊本県が派遣を要請し、厚生労働省が各県・政令市等と派遣調整。
併せてDHEATについて、福岡市・宮崎県から熊本県庁および県内1保健所へ計2チームの派遣が決定し、福岡県チームは最終調整中と公表。こちらも一般募集ではありません。活動開始日・終了日は未公表。
■熊本県
7月31日14時「熊本県保健医療福祉支援会議」を立ち上げたと正式公表。DHEAT、DMAT、日赤、DPAT、災害支援ナース、保健師、JDA-DAT、JRAT、DWAT・DCAT、JDAT、災害薬事コーディネーター等を、被災地のニーズに応じて増強・調整する県レベルの統合体制。
■防衛省・自衛隊
防衛省、防衛大臣記者会見。
対象地域:被災地域の医療機関、八代港
新たな活動内容:
人工透析用水が不足している病院に対する給水支援を実施。
入浴・宿泊・食事を大規模に提供できる船舶「はくおうⅡ」を、準備完了後に八代港へ派遣。
■厚生労働省・7月31日17時
保健師等チームを全国へ追加要請
要請主体:熊本県
派遣調整:厚生労働省健康・生活衛生局健康課
対象職種:保健師等で構成する自治体チーム
新たな要請:7月31日、従来の九州各県・政令市に加え、全国の自治体へ追加応援派遣の可否照会を発出。
新たに確定した派遣
岡山市・広島市 → 熊本市:8月4日から
沖縄県 → 宇城市:8月4日から
活動終了日:未公表
応募条件:自治体による組織派遣のため設定なし
指揮命令系統:熊本県が支援ニーズを提示し、厚生労働省が派遣元自治体と調整。現地では熊本県の保健医療福祉調整体制および派遣先自治体の下で活動します。
全国のDPATへ正式な派遣要請
要請主体:熊本県
対象職種:精神科医師、看護師、業務調整員等で構成するDPAT
活動状況:7月31日16時現在、日本DPAT 13隊が活動中
本部活動:5隊
現地活動:8隊
新たな要請:熊本県が全国のDPATに対して派遣を要請
活動期間・派遣先:個別チームについては未公表
応募条件:一般公募なし、DPAT登録・派遣調整体制を通じた組織派遣
指揮命令系統:熊本県DPAT調整本部を中心に、派遣元都道府県のDPAT調整本部と連携。
DHEATの派遣先・期間が追加確定
派遣主体・期間
宮崎県DHEAT → 熊本県庁:8月5日~14日
福岡県DHEAT → 八代保健所:7月31日~8月31日
福岡市DHEAT → 宇城保健所:7月31日~8月31日
応募条件等:一般募集なし、自治体職員による組織派遣
指揮命令系統:厚生労働省が派遣調整し、熊本県庁・各保健所の健康危機管理体制下で活動。
■国立病院機構
熊本県内で活動中の初動医療班2チームに加え、8月1日から医療班2チームを追加派遣すると公表。
一般募集なし。
■警察庁
2026年7月31日。
警察による救助人数が65人となり、前回公表の64人から1人増加
対象地域:八代市、嘉島町、氷川町など
活動内容:イオンモール熊本、日本製紙八代工場などで救出・捜索を継続
住民・支援者への影響:一般車両の被災地への乗り入れ自粛、現場の交通整理・迂回誘導への協力要請は継続
警察体制:熊本県警約1,520人、他都府県警の即応部隊最大約700人、被災者支援・警ら部隊約190人
今日は悠翔会の理事会・グループビジョン会議でした。法人の主要メンバーと会議でも熊本地震に対する法人としての対応体制について共有しました。
喜多先生が示唆されているように、いざというときに支援依頼に迅速に応えられるよう、準備しておきたいと思います。
なお、日本プライマリ・ケア連合学会基本研修ハンドブックの災害支援に関する部分が、現在一部無料公開中です。
支援に関わるかもしれない医療職は要チェック。
https://www.primarycare-japan.com/news-detail.php?nid=1825
スフィア基準(人道支援の現場で守るべき普遍的な最低基準)に関する各種資料(スフィアハンドブック等)も無料で読めます。
佐々木淳