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『行く支援』より『届く支援』― 今、本当に必要なこと

「現地から●●が足りないと連絡がきた」
何とかしたいと思う気持ちは大切です。
しかし「いますぐペットボトルを届ける!」という善意が、自衛隊や水道局の給水車の到着を遅延させます。それは結果としては支援の妨害です。
水に関しては最優先に応じて医療機関等への支援が着々と進んでおり、懸念されていた透析センター等はケアが継続できる状況が確保されています。支援に関わられている皆様のご尽力に改めてここからの敬意を。
確かに情報集約のプロセスで見落とされる小さなニーズは存在します。

しかし、いまは最大公約数的な支援に物流を集約すべきフェイズです。それが被害を最小化するための重要な前提条件であることを私たちは学んできたはずです。
「とりあえず現地を見てくる!」と現地に飛び込む方(医療者)もいますが、その必要はありません。災害支援アセスメントの専門家がすでに現地に入っています。
日本プライマリ・ケア連合学会からPCATの調査隊も派遣されます。避難所や居宅など在宅領域の課題も合わせてピックアップしてきてくれると思います。
トレーニングを受けていない非専門家が、局所的な状況やそれに対する主観をSNS等で発信することは、円滑な支援の提供に悪影響を及ぼす可能性があります。
いまは発災直後の超急性期から急性期への移行期です。

ここからは特に災害による二次的健康被害と防ぎえる死を防ぐための取り組みが重要になります。
平時からの連携事業所との事前の取り決めに基づく支援等も一部スタートしているようですが、支援にあたっては支援組織への登録と、最低限の研修・トレーニングを。

間接的にできる支援もたくさんあります。
ものを届けるだけなら、物流のプロに任せましょう。あなたの車のトランクに積み込むより、プロの大型トラックドライバーに任せたほうが安全で高効率です。
被災地への思いをなんとか形にしたいという方は、とりあえず寄付を。
現時点での被災地への支援状況です。

■PCAT調査隊の派遣
日本プライマリ・ケア連合学会は、昨夕(7月30日17時50分)PCATとしての本格的な支援活動の要否を判断するため、熊本県へ調査隊を派遣すると公表しました。
支援者の一般募集ではありません。
派遣主体:日本プライマリ・ケア連合学会/PCAT
担当組織:災害医療システム委員会
対象職種・隊員構成:未公表
活動内容:現地の医療機関・関係機関と連携した支援ニーズ調査
活動期間:7月31日~8月2日
応募条件:一般公募・個人登録は現時点でなし
申込先・締切:設定なし
指揮・調整体制:学会理事長の承認のもと、災害医療システム委員会・PCATが派遣。現地では医療機関および関係機関と連携して調査
今後:調査結果を踏まえ、PCATによる支援活動の実施や募集等を改めて公表予定

■熊本県:DHEAT・JDA-DATの派遣開始
派遣主体:熊本県、宮崎県、長崎県、日本栄養士会
対象職種:DHEAT構成員、保健師等、管理栄養士
活動地域:
県外DHEAT先遣隊:熊本県庁、八代保健所
県版DHEAT:宇城保健所、八代保健所
JDA-DAT:宇城保健所、八代保健所
活動期間:JDA-DATは7月30日から開始。DHEATの終了時期は未公表
応募条件・申込先・締切:個人公募ではなく、自治体・所属団体を通じた組織派遣
指揮命令系統:熊本県保健医療福祉調整本部・健康福祉部、各保健所の調整下。後続のDHEAT派遣も調整中です。

■警察庁・熊本県警察:救助・交通・防犯体制を拡充
発表主体・日時:警察庁、2026年7月30日
対象地域:八代市、嘉島町、氷川町など熊本県内の被災地域
活動内容:
7月30日10時時点で64人を救助
熊本県警約1,520人に加え、他都府県警から即応部隊約700人、一般部隊約190人を派遣
イオンモール熊本、日本製紙八代工場、倒壊家屋などで救出・捜索
通行止め箇所の迂回路設定、滅灯信号交差点での交通整理
避難所での相談・防犯指導、防犯カメラ設置、デマや偽救助要請の調査
★重要:住民・支援者への影響:被災地へ向かう一般車両の利用自粛が正式に呼びかけられています。

■防衛省・自衛隊:第3報
発表主体・日時:防衛省・統合幕僚監部、2026年7月30日
活動規模:陸上自衛隊第8師団を中心に約5,100人態勢
対象地域・活動内容:
嘉島町:イオンモール熊本で約170人と海自救助犬3頭による救助
八代市:日本製紙八代工場で約110人による瓦礫撤去
氷川町:救助犬6頭による捜索
八代港:海自艦艇4隻から生活支援物資を陸自へ引き継ぎ、避難所等へ輸送
9市町・計24か所:人員約120人、給水車等32両による給水
健軍駐屯地・八代港:入浴セット各1基を配置
住民・支援者への影響:給水地点は自治体からの案内確認が必要です。
入浴設備は現地到着済み。

■警察庁:第9報
発表主体・日時:警察庁非常災害警備本部、2026年7月31日午前7時30分現在
対象地域:熊本県内の被災地域
新たな活動内容:
広域緊急援助隊に大阪府警・兵庫県警が加わり、救出救助活動等を実施
福岡・佐賀・大分・宮崎・鹿児島県警が、生活相談等を担う被災者支援部隊を派遣
鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の各県警も、被災者支援部隊を熊本県へ派遣予定
九州5県警が特別自動車警ら部隊を派遣し、被災地の警戒・巡回体制を強化
住民・支援者への影響:避難者の生活相談、防犯対応、被災地域の巡回警戒が増強されます。

■熊本県が本日(7月31日9時30分)の第7回災害対策本部会議で、専門職派遣に関する新たな要請・派遣計画を公表
1.県外の災害支援ナースへ支援要請
要請主体:熊本県健康福祉部
対象職種:県外の災害支援ナース
活動地域・開始日:
氷川町の避難所:8月3日から
宇城市の避難所:8月4日から
応募条件:個人向け一般公募ではなく、災害支援ナースの登録・派遣体制を通じた組織派遣
活動終了日・申込先・締切:未公表
指揮命令系統:熊本県健康福祉部が県外派遣を要請し、派遣先自治体・避難所で活動。派遣元団体や現場責任者の詳細は未公表です。

2.DWATの全国派遣要請
要請主体:熊本県から厚生労働省
対象:災害派遣福祉チーム(DWAT)
現在の活動:DWAT・DCATが、すでに6市町の避難所で活動開始
新たな要請:厚生労働省に対し、DWATの全国派遣を正式要請
対象職種・応募条件:今回の資料には個別職種の記載なし。一般個人公募ではなく、各自治体・団体が登録、編成するチームの組織派遣
活動期間・申込先・締切:未公表
指揮命令系統:資料上確認できるのは「熊本県健康福祉部→厚生労働省への全国派遣要請」までで、各チームの現地指揮系統は未公表です。
県は併せて、保健・医療・福祉の各支援チームを統合調整する「保健・医療・福祉支援連携会議」を7月31日14時に立ち上げると公表しています。

3.熊本県警察:捜索・交通対応の具体化
発表主体・基準日時:熊本県警察本部、7月31日7時30分現在
捜索:要救助事案59件中58件が対応済み。残る嘉島町・イオンモール熊本の倒壊現場で、広域緊急援助隊など約220人が捜索を継続
交通:八代市・宇城市を中心に約130か所で信号が消灯。交通部隊約100人を主要交差点に配置し、発動発電機による応急信号運用を実施
住民・支援者への影響:八代市・宇城市周辺では交差点の混雑や交通整理が続く可能性があり、現場警察官の誘導を優先する必要があります。


重層的な支援が、組織間の連携の中でスムースに行われています。
最大公約数の網から漏れ落ちるニーズに応えるために活動されている方々がスムースに支援活動に専念できるよう、間接支援・後方支援を考えていきたいです。

▶山岸暁美さんたちがDC-CATを通じて「スマートサプライ」を活用し、熊本県内の訪問看護師が必要としている物資を、必要な数だけ、必要なタイミングで届けるプロジェクトをいち早く立ち上げています。
現在、熊本県下約40のステーションの必要物品をリストアップしています。熊本の現場の最前線で、本当に必要とされているものを直接届ける非常に効果的な支援です。
現場で踏ん張る訪問看護師さんたちに、とりあえず何か支援したい!という方は、まずはこちらに。
https://smart-supply.org/…/kum…/6a698d4870c94d92d6f59618

熊本県への直接寄付はこちら
▶被災者に届ける「熊本県義援金」
肥後銀行 県庁支店
普通預金 口座番号 1700669
口座名義 令和8年熊本地震義援金(熊本県) 熊本県知事 木村 敬
フリガナ レイワハチネンクマモトジシンギエンキン(クマモトケン)
受付期間 2026年7月29日~10月30日予定
問い合わせ 熊本県健康福祉政策課 地域支え合い支援室 096-333-2819

佐々木淳

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