制度に魂を、ケアに未来を。台湾で考える、地域での暮らしを支える在宅医療の責任。
台湾2日目。
国立台湾大学病院・北護分院で、地域医療における在宅医療の役割と責任について講演をさせていただきました。
台湾骨粗鬆症学会の理事長でもあるHan先生とご挨拶できました。
台湾政府が進めるPAC(Post-Acute Care)の制度づくりにゼロから関わられている先生です。特に回復期・移行期(包括期)をどう支えるのか、この部分の介入の濃度が、機能回復
その後の要介護度やQOLの改善のみならず、再入院のリスクにも大きく影響します。特に社会的投資による費用対効果が高い領域だと思います。
台湾から見ると、日本の回復期(老健含む)はかなり充実した制度に見えているようです。しかし、制度が充実しているのと、然るべきアウトカムが伴っているかは別の問題。特に老健については、在宅復帰率は30%を切り、平均在所日数は310日!と、もはやリハビリ施設としては機能していないところが多くを占めているのが実情だと思います。
制度に魂を入れるのは、現場の専門職、そして管理者・経営者。
特に後者の責任が大きいように思います。
もちろん経営の持続可能性というのは重要なテーマ、しかし、日本の制度は合理的なケアを提供すればするほど、収益性が改善するように設計されています。もし、合理的ケアを提供した結果、稼働率が下がるというのであれば、それは、その施設や病床が地域にとっては過剰な資源ということになるのだと思いますし、この部分こそ経営者の責任で判断すべき領域であるはずです。
少なくとも経営の持続可能性の確保のために、患者の人生が犠牲になるということはないようにすべきです。
そのためには機能する在宅医療、そして在宅医療の成立条件としての在宅ケアの提供体制の確保が必要です。
在宅ケアは非効率だ、施設に集めろ、という声も確かにありますが、資源の再配分で十分に対応できるように思いますし、ケアニーズが極大化する2035年ごろにはフィジカルAIの現場への投入も現実的な選択肢になっているはずです。
「現状」に最適化するのではなく、10年後、20年後のあるべき姿から逆算した現場のチームづくり、そして経営を心掛けていきたいと思います。
お招きいただいたJeremy Li先生とは10年のお付き合い。
いつも貴重な機会をありがとうございます。
この後、台中へ移動。
なんだかすごい車が待っててくれました。
超快適でした。
佐々木淳


