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利益は必要、しかし誰のための利益か

医療も介護も福祉も利益を出して良いと思います。
利益がなければ適切な経営ができません。

ただし、その財源は公的なもの。余剰な利益は、地域・社会や患者・利用者に還元されるべきもので、株主(事業オーナー)に還元すべきものであるとは思いません。
公的保険に依存しないサービスを提供し、それで利益を出す、株主に還元されるのは良いと思います。ヘルスケアビジネスとしてそのコストパフォーマンスがクライアントに理解され、同意の上で購入されているのであれば、それは通常の事業と何ら変わりありません。有料老人ホームなどのホテルコスト・生活サービスなどもここに含むと思います。

しかし、医療介護福祉は、クライアントの自己負担はごく一部、主たる費用負担者は社会全体です。社会全体に対して説明責任を果たせる事業運営が求められる。これが医療介護経営の基本なのだと思っています。
その文脈でホスピル型住宅や夜間往診サービスはその提供している価値と社会負担のアンバランスが明らかに問題であったと思います。また一部の障害者グループホームや精神科訪問看護、そして訪問診療も同様だと認識しています。

藤田 英明 Facebook

福祉業界には、
「儲けてはいけない」
という空気があります。

しかし、私はそうは思いません。
もちろん、不正請求や制度の隙間を利用した利益追求は論外です。
利用者や職員を犠牲にして利益を上げることも、決して許されるものではありません。
福祉事業は高い倫理観と社会的責任の上に成り立つべきものです。
その一方で、「利益を出すこと」そのものは悪ではないと思っています。

経営学者ピーター・ドラッカーは、
「利益は企業の目的ではない。企業が社会的使命を果たし続けるための条件である」
という考え方を示しました。

私は福祉も同じだと思っています。
利益は目的ではありません。
支援を続けるための手段です。

利益があるから人を雇える。
利益があるから職員の給与を上げられる。
利益があるから教育や研修に投資できる。
利益があるから新しいサービスを生み出せる。
利益があるから、今まで支援が届かなかった人にまで支援を届けられる。

もし利益を出してはいけないのだとしたら、
誰が職員の生活を守るのでしょうか。
誰が新しい福祉サービスへの投資をするのでしょうか。
誰が未来の利用者を支えるのでしょうか。
赤字の組織は理念を語ることはできても、その理念を実現し続けることはできません。

だから私は、福祉を成長産業にしたいと思っています。
福祉で働く人が誇りを持てる社会。
福祉で働く人が経済的にも豊かになれる社会。
良い支援をした人や組織が正当に評価される社会。
そんな未来をつくりたいのです。

介護職がしっかり稼いで何が悪いのでしょうか。
支援者が家族を養い、夢を持ち、豊かな人生を送って何が悪いのでしょうか。
福祉人が経営を学び、経営者として挑戦して何が悪いのでしょうか。

むしろ私は、
福祉人こそ経営者になるべきだ
と思っています。
なぜなら、支援の本質を知る人こそ、本当に必要なサービスを生み出せるからです。

ドラッカーは、
「企業の目的は顧客の創造である」
と言いました。

福祉で言えば、
私たちの目的は利益ではありません。
利用者の人生を豊かにし、地域社会に価値を生み出すことです。
その使命を果たし続けるために、健全な利益が必要なのです。

私は、
利益なき理念は続かない。理念なき利益は意味がない。
その両方を追求する福祉経営を実現したいと思っています。

福祉は慈善事業ではありません。
社会課題を解決する、誇りあるプロフェッショナルな仕事です。

だからこそ私は、
福祉で働く人が誇りと豊かさの両方を手にできる社会をつくりたいのです。

佐々木淳

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