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暮らしを支える在宅医療へ ― 日韓の交流から考える医療とケアの体制づくり

韓国では国民の「病院信仰」が強く、有名な病院に入院できることがステイタス、というような状況があるとのこと。何かあれば大病院に直接アクセスできるので「身近なかかりつけ医」という概念は育ちにくいのだそうです。
日本でも、高齢化の進行に伴い、少しずつ国民の認識も変わりつつあるように思いますが、まだまだ大病院志向も根強く残っています。また、病床稼働率にはゆとりのある病院も多く、何かあれば入院すればいい、という考え方もまだまだ残っています。

厚労省も包括期病棟の拡充を前提に「ときどき入院・ほぼ在宅」というスローガンを掲げていますが、多少、人員配置基準を強化しても、入院という「環境変化」を回避できるわけではないので、入院毒性そのものを抑制するのは難しいように思います。
だからこそ、日本に先行して高齢化が進んだ欧米各国では「高齢者専用救急病床」ではなく「在宅入院」を整備してきたわけですが、急性期を自宅で支えるためには「ケア力」が必要になります。
日本では急性期ケアに増大するケアニーズに応えるための介護サービスの拡充・加算ではなく、地域包括医療病棟という新しいカテゴリの病床を作りました。
これが果たして患者のニーズに応えうる最適解なのか。
在宅医療の対応力が徐々に高まってきている中、ケア力の限界で入院が選択される。もどかしさを感じる在宅医は少なくないと思います。

ソウルで在宅医療を展開するポモ内科グループのLee先生のチームが悠翔会に見学に来てくれました。
韓国は在宅医療がスタートしたばかり。
診療報酬は十分ではなく、特に日本の「医学総合管理料」に相当するものが認められていないため、24時間の対応体制の構築などかなり難しい現実があるとのこと。
Lee先生の訪問には、介護看護事業者や民間保険会社も同行、公的保険のカバレジが不足している部分を民間保険でカバーできないか、ということも模索されていました。
日本の在宅医療の提供体制がいかに恵まれているか、ということを感じるとともに、足りない中でも、理想の在宅医療を実現しようと模索するLee先生たちの姿勢に大きな刺激をいただきました。
来年の在宅医療連合学会では、それぞれの国の高齢化に対する社会の体制づくりについて、在宅医療・介護・入院・自助互助の観点から整理してみたいと思っています。

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佐々木淳

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