1. HOME
  2. ブログ
  3. 活動履歴
  4. 『できない』ではなく、『どうしたらできるか』―その人の生き方を支える地域医療

『できない』ではなく、『どうしたらできるか』―その人の生き方を支える地域医療

「できない」じゃなくて「どうやったらできるか」を考える。

七山診療所の阿部先生にお声がけいただき、「唐津・玄海いきかたプロジェクト」住民公開講座へ。阿部先生と同じくらい激アツな人たちと出会いました。
個人的に嬉しかったのは看護小規模多機能管理者の内山さんとの出会い(再会)。
2年前、佐賀でのE-FIELD HOMEにご参加くださり、その時は、グループワークで提示されたケースに「こんなの無理だよ」→「何のためにここに集まってるの?できない、じゃなくて、どうやったらできるかを考えることが大切じゃないの?」と問われ、はっとした。

胃ろう+在宅酸素+吸引の寝たきりじいさんが、孫の結婚式に出席したいと非言語で意思表示したときには、本当に行けるのか、と悩むことなく実行。そのおじいさんは、そのあと元気になってビールを飲んだりしているという。
いきかたを支える、というのはリスク評価で終わるものではない。
「あぶないかも」っていう判断だけなら専門性なんていらない。
そのリスクを相対的に評価すること、リスクを受容可能なレベルまで下げられないか考えること、そしてそのリスクを回避したことで生じる不利益についてもきちんと評価すること。
加藤忠相も、健介くんも、ちょっと乱暴に見えて、でも、実は臨床倫理的には妥当は判断を無意識にしている(あるいは意識的にしているのかもしれないけど、それをわざわざ開陳しない)。

人生にとって最大のリスクは、転ぶことでも誤嚥することでもない。
自分の人生の所有権を他人に支配されること。
自分で決めるということ。
それが自分の人生をいきるということ。
そして僕らの仕事は、そのいきかたを「リスクヘッジ」の名のもとに盲目的に妨害するのではなく、その人のいきることの全体を見ながら、そっと支えること。
本来であれば当たり前のことが、スーパーファインプレーに見えてしまう状況は、ちょっと寂しくはあるけれど、こういう経験を地域に増やしていくことが大切なのだろうと思う。

今日は朝から、阿部先生に七山を案内していただきました。
常勤医師1名を養える限界点を超えた人口減少集落。阿部先生は訪問診療の圏域を拡大することで経営を維持していますが、しかし阿部先生に何かがあったら、この理想郷は無医地区となり、そして人生の最終段階の選択肢が救急搬送だけになってしまう。
いや、まだ30分圏域に救急搬送できる病院があるだけ幸せなのかもしれませんが、個人の犠牲と覚悟だけに依存した地域医療をこのまま放置してよいとは思えません。
「できない」ではなく「どうしたらできるか」。

日本は国土面積単位でみれば、過半はこのような状況であるはずです。
在宅医療充実体制加算もそうですが、都市部の基準で全国一律の医療介護システムというのは、そろそろ限界にきているように思います。
ここから先は個人がどう頑張っても変えられない。
地域医療も構造改革と地方分権が必要な時代なのだと思います。

佐々木淳

771739772 28050049441280894 8387033308455348355 n
771801916 28050049544614217 3142506264727455682 n
770955804 28050049864614185 2732946096153206140 n
770938272 28050050054614166 7397850345383745815 n

関連記事