日本の在宅医療を、世界の学びへつなげる
絶望的な渋滞を都心に向かっています。
深夜1:20に東京を出て、午前6時前にバンコクに到着。
いつ目的地につくのか見当もつきませんが、日本の仕事開始時間にオンラインにできるので、車中の時間も有効活用できます。ついでに空港でいただいたタイコーヒーが効いてきました。
昨日は日本在宅医療連合学会の国際委員会の説明会でした。
僕は、在宅医療こそ、国際化が重要な領域だと感じています。
在宅医療へのニーズは国や文化によって大きく異なります。急性期医療のようにミッションがシンプルではないので国際標準化が難しい、だけど、お互いの取り組みの優れた部分、あるいは失敗経験から学び合うことができるはずです。
欧米やアジアの他の先進国では、在宅医療は「病床機能の代替」として、急性期治療や早期退院支援の機能を期待されています。対象疾患も診療報酬の仕組みも急性期入院に準じた形になっています。
新興国や途上国では、在宅医療は「プライマリ医療アクセス」として、オンラインや巡回診療などを組み合わせた非病院型の新しい医療サービスが形成されつつあります。これは固定電話が普及する前に携帯電話網が完成したのに似ているようにも思います。最近はここにAI診断も入り込んできています。基盤や規制がないからこそ、新しいチャレンジがしやすいというバックグラウンドがあります。
日本の在宅医療は、受診困難な人たちへのプライマリ医療アクセスとしての基本機能に加えて、必要に応じて急性期、移行期・回復期、終末期まで連続的に包括的にかかわれるというのが最大の特徴です。同一チームがpatient journey 全体に関われることは、緩和ケア、認知症ケア、家族ケア、多職種連携の視点からも重要です。しかも、ほとんどの職種が24時間対応可能です。
日本はこの仕組みを50年かけて丁寧に育ててきた。そして、その背骨にはユニバーサルヘルスケアカバレジ、健康保険と介護保険の2つの公的保険、そしてさまざまなレイヤーの福祉の仕組みがあります。
日本のヘルスケアは資源の制限というこれまでにない状況に直面しています。
社会保障費はこれ以上支払えないという国民の意思表示、介護人材の不足、一方で急速に増大するケアニーズ。財布の引き締めで医療機関の閉業も増えています。
でも、日本よりも厳しい状況でヘルスケアが提供されている国のほうが多いのも事実。守るべきものは守りつつ、さまざまな取り組みに学びながら、これまでの常識に囚われず、新しい可能性を探り続けることが大切だと思います。
いただいた機会を最大限生かしたいと思います。
佐々木淳
