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認知症ケアは、ご本人の安心と尊厳から。高瀬先生に学ぶBPSDへの対応

昨夜は高瀬先生の特別講演の座長を拝命。
地元千葉で、地元の先生方にお集まりいただき、在宅医療における認知症のBPSDへの対応についてご教授いただきました。
ブレクスピプラゾール(レキサルティ)は、従来、認知症BPSDの薬物コントロールに用いられてきた薬剤とは異なり、ドパミンを完全ブロックしないパーシャルアゴニスト。
薬を始めてから無表情になり、食欲も低下し、身体が傾いてよだれを流す、みたいな状況が生じにくくなりました。
要介護高齢者でも、MCIを含む軽症の方のアジテーションにも比較的効果があり、ご家族や介護者のみならずご本人にとっても快適な時間を確保するために役に立っているところもあるようです。

一方で、高瀬先生が強調されたのは、認知症BPSDは「ケアが8.5割・薬が1.5割」ということ。まずはご本人にとって不安や不快の少ない環境をどう作るか、ということにフォーカスすべきと。
もちろん薬理作用に対する説明もありましたが、あくまで本人の価値観を中心に語る、そして世の中にポリファーマシーという言葉が出てくる前から減薬に取り組んでこられた、このあたりは在宅での高齢者の暮らしを知り尽くした高瀬先生ならではの優先順位だなと感じました。千葉にも高瀬ファンが増えたのではないかと思います。

もう1つミルタザピンについても言及も。こちらはパーシャルブロッカ―ではありませんが、多元受容体標的薬として脳内の非常に多くの受容体にまんべんなく、強力かつ穏やかに作用します。特に高齢者の認知症には「3つ(4つ)のD:Dementia・Depression・Delirium・(Delusion)」を意識、と高瀬先生は指摘されていましたが、特に隠れている可能性が高いのがDepression(うつ)。アジテーションを示す患者の中にもうつの要素が隠れていることがあることなど、知識としてはあったものの「治療的診断のフィードバックを回す」という考え方は実践的だと思いました。食欲が低下した高齢者で使うことは時々ありましたが、認知症のBPSDに対しても1つの選択肢として有用だと感じました。

昨日は高瀬先生からは特にご紹介はありませんでしたが、実は、認知症BPSDに対する考え方について、とてもわかりやすい本をつい先日出されています。
こちら、在宅医療や介護に関わる方にとって、認知症の本態を理解する、BPSDを理解する、そしてそれに対して本人の尊厳を守りながら生活環境を整えていくためのヒントが満載です。
ぜひ各事業所に1冊ずつ、ご配備をお勧めします。
具体的事例も多く、読みやすく、社内勉強会向けなどにもおすすめです。

臨床現場から生まれたBPSD対応アルゴリズム
https://amzn.asia/d/0egQR7AU
来年の在宅医療連合学会でも、BPSDへの対応にフォーカスしたセッションを高瀬先生と考えてみたいです。

佐々木淳

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