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ラマダンの夜に、世界を考える

イランの報復攻撃によって中東の主要空港が閉鎖される中、イスタンブールは代替結節点として混雑していた。
ターミナルのカフェで強烈に濃厚なトルココーヒーを飲みながら、ここまで無事到着できたことにちょっとほっとしていた。隣には声の大きなロシア人のグループ。ここはロシアのウクライナ全面侵攻の前線、黒海の唯一の出入り口でもある。
Xでアルジャジーラのポストを眺めながら、曖昧な平和の時代が終わりつつあることをじんわりと感じる。

午前10時のチュニス・カルタゴ空港には、現地のパートナーが待っていてくれた。
乾燥した土地に白い建物とヤシの並木。
地中海都市であり、アラブ国家であり、そしてアフリカの一部。
7世紀に形作られた旧市街メディナ、その外側に拡がる街並みにはフランス統治時代の面影が残り、そこに砂漠の埃っぽさが加わる。

旧市街のホテルに荷物だけ預けて医療システムスタートアップ、保険会社・コンタクトセンター、大規模総合病院などを順次訪問、在宅医療・高齢者ケアについてそれぞれ協業についての意見交換。
アフリカの小国の企業群と侮ることなかれ。
いずれも中東・アフリカへの拡大を前提に事業展開されている。
在宅医療・オンライン診療の法的規制など、日本と似た側面はありつつも、スタートアップの成長速度はコンセプトばかりが先行する日本のそれとは大きく一線を画している。
石橋を叩いて渡る国にはない瞬発力と軽やかさを感じる。

ミーティングでは、いずれも僕の前にだけコーヒーやお菓子が出てきて、なぜみなさん召し上がらないの?と思っていたら、実はラマダン(断食月)、つまり太陽が出ている間は、水分も食事も口にできない(旅行者は例外)とのこと。
町のレストランもお休み。ホテルでは食事はないし、どうしようかなと考えていたら、現地のパートナーのサーマルさんが、you have another option、ラマダンを一緒に体験してみて、とご自宅に招いてくれた。
チュニジアでは、ラマダンは単なる宗教行事というよりは、家族のつながりを確認するための大切な期間でもあるとのこと。遠方に暮らす家族も集まって、一皿ずつ丁寧に食事を進めていく。
最初はナツメヤシと水から。
そこからスープ、軽い食事・・と順番に、それぞれの前に重ねられたお皿に食事を取り分け、食べ終わるとお皿を一枚ずつ外していく。
宗教行事ではないけど、日本でお正月に家族が集まって、まずお雑煮からいただく、みたいな感じにちょっと似ているのかな。
素敵な家族の時間を共有させていただいた。
イスラム教というだけで偏見を持たれることも多い昨今だけど、人々が大切にしてきた文化に対して、まずはそれを尊重することからスタートすべきだろう。

みなさん、普通に英語で会話ができて、もちろん公用語としてのアラビア語とフランス語の両方は普通に使えて、どうやって勉強してるの?って8歳の男の子に聞いたら、Youtube見てるだけだって。ほえー。18歳の男の子は食事の前に「いただきます」終わったら「ごちそうさま」。アニメを見て学んだのだという。
子供たちはみんな日本のアニメや漫画、ゲームが好きだよ、と教えてくれた。
サーマルさんも、日本はチュニジアが独立したときに最初に承認してくれた国、だから特別なんだと説明してくれたが、どうもこれは事実ではないらしい。理由をこじつけてでも日本を特別にしてくれているのだから、チュニジアは親日国なのかな。でもこれは本当にありがたいことだと思う。

たっぷりごちそうしていただいて旧市街のホテルに戻ると、いまだに(現在23:30)外は賑やか(というかお祭り騒ぎ)。想像していたラマダンとはかなり違った。
そろそろ寝たいけど、この音量では・・・

佐々木淳

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