入院依存社会からの転換
具合が悪くなったら、救急で受け入れて、入院して治療して、退院させる。
実はそれ以外の選択肢がある。
入院は確かに安心「感」がある。
だけど在宅高齢者が緊急入院すると10日間で7年分の老化に相当する衰弱が進む。
23.8%は死亡退院、34.1%は自宅に帰ることができない。
でも、自宅でも治療はできる。
日本以外の先進国では入院のハードルは高い。
在宅医療のキャパシティを拡張し、入院依存度を下げることは、本人のQOLにとっても、社会保障費の適正利用化という面でも重要だ。
日本でも訪問看護師さんに特指示で動いてもらって、肺炎や心不全の在宅治療に積極的に取り組むチームが増えている。
もちろん途中で入院になる人もいる。亡くなる方もおられる。しかし、肺炎や尿路感染については在宅治療の成績は病院(入院治療)と同等とする海外からの報告もある。
産業医大・救急教授の尾崎先生は、在宅医療は下り搬送の出口だと思っていた。
でも、在宅医療がきちんと機能するなら、ERで診断した後、自宅に戻って治療してもらうという選択もありますね。
そうおっしゃってくださった。
北九州には在宅医療に情熱をもって取り組む在宅医や訪問看護師さんたちがたくさん。みんな患者さんを責任をもって最期まで関わりたい、入院をなるべく避けて、平穏な時間を守ってあげたい、そんな共通の目的意識のようなものを感じた。
八幡医師会は、医師会立の在宅療養支援診療所を設立し、地域の先生方の在宅医療のバックアップをしているという。地域の中核的病院との顔の見える関係も。地域全体が一体的に機能している感じがした。
在宅医療の本来の使命は何なのか。
自分自身にとってもよい振り返りになった。
素晴らしい機会を頂戴しました関係者のみなさま、ありがとうございました。
佐々木淳

