老いを人生に組み込むという選択
腰痛はさらに悪化し、ベッドからの立ち上がりが困難に。
体幹に力を入れようと左手でベッド枠をつかむと、今度は鳴りを潜めていた肩関節周囲炎、いわゆる四十肩が再燃(僕の場合には五十肩という表記が適切か(汗))。
年始早々、身体の変化を痛感しつつ、改めて自分の担当以外の部分を読んでみた、
老化は私たちにとって避けられない現象。
多少、遅らせることはできるかもしれないけれど、加齢に伴ってさまざまなものが少しずつ変化していく。
しかし、それは「衰弱」なのか。
確かに集中力や瞬発力、骨密度などの低下は、私たちの可能性や安全性を少しずつ制限していく。でも、年を重ねることで醸成されていくこともあるし、経験を重ねていくことで獲得される強みもある。
老化は「衰弱」と「成長」の複雑な組み合わせ、一局面だけをみて評価すべきものではないと思う。
重要なのは、その変化を見越し、それを自分の人生の中に組み込んでいくこと。
それができれば、たとえ心身の機能が低下しても、経済力が低下しても、残りの人生を豊かに生きることは十分に可能なのだ。
本書には、社会学者・評論家から経営コンサルタント、ITエバンジェリストまでさまざまなバックグランドをもった識者が登場し、それぞれの立場で「老い」を語る。相川浩之さんはさすが元日経新聞の記者、鋭い切り込みで課題の本質を可視化しながらインタビュイーの本音を引き出す。そして町亞聖さんは当事者の立場で、それぞれの専門家の発言にも覚悟を求める。その文面はとてもエキサイティングだ。
僕を含め4人の医師も登場する。臨床医の立場は僕だけだが、敬愛する山崎章朗先生、飯島勝矢先生はいつも通りノーブルな表現を通じて老化や死との向き合い方を科学的かつ哲学的に、精神科医の和田秀樹先生は「作られた高齢者像」と現実の乖離から「シン・老人」を提案する、相変わらずのキレぶりだ。
僕と同様、人生の折り返し点を少し超えた、あるいは不惑を迎えたくらいの方も早めに目を通しておいていただいてもよいかもしれない。投資信託の積み立てを始めるにはもう遅いかもしれないが、まだ間に合うものもある。
できる準備は早いに越したことはないから。
超高齢社会のエキスパート12人に聞いた
老いと向き合う生き方 人生100年時代の歩き方シリーズ
相川浩之・町亞聖
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