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「先輩ドクターの経験談」が役に立たない世代

「先輩ドクターの経験談」が役に立たない世代。
母校でのリベラルアーツ講座「生命への畏敬」。
担当させていただいてから11年になりました。

ちょっと寒い日曜日の朝いちばん、医歯薬系への進学を希望する後輩たち。曇りないキラキラした100の瞳を前に、こちらもちょっと襟を正して90分間。
医療者を志すとはどういうことなのか。
医療の現場で向き合う患者さんの生命、生活、そして人生。
病院ではそのごく一部しか見えないし、私たちもごく一部しか見ていないけれど、でも、人は医療で生かされる存在ではないのだということを忘れてはいけない、ということをお伝えしました。

つたない講義でしたが、質疑を通じて伝えたいことが伝わったことも感じられました。
優秀な後輩たちに恵まれて幸せです。
この後輩たちが医師としてデビューするのは10年先。そして彼らが医療の中核を担うようになるのは、さらにその10年後。
そのころ日本の医療は、いや世界の医療はどうなっているのか。
現在の現役医師のキャリアプランやサクセスストーリーをそのまま提案することに意味はないでしょう。

人口構造・疾病構造が変化を続ける中、テクノロジーとの役割分担は加速度的に進みます。社会保障制度も少しずつ、あるいはドラスティックに変化する可能性があります。
20年後の医師に求められるものは何なのか。
それを自分で考えて、自分の信じる道を切り開いていく。
そんなフロンティア精神こそが、これから医療者を目指す人たちに求められる最重要なマインドセットなのかもしれません。
東葛高校の医歯薬コース、もともと千葉県が相対的に医師不足というところからスタートしたという経緯はありますが、10年後・20年後の医師の需給を考えると、やみくもに医師の数を増やすだけの政策はあまり合理的でないように思います。
10年を経過して、プログラムの見直しを検討されているとのことでしたので、僕は少なくとも国際医療(世界の医療)についての講義は入れるべきではないかと提案しました。

「自主自律」を校是とするわが母校。
後輩たちの自由闊達なキャリア開拓を、東葛高校・医歯薬系同窓会副会長としても、そっと見守っていきたいと思います。
写真は大好きだった地学室。
今年は外から盗み撮り。

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