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在宅の栄養ケアを「基本メニュー」に―大分で考えた、食べる力を支える医療

今夜は大分で美味しいフグをいただきました。
大分県病院協会栄養部会の研修会で、超高齢社会の栄養ケアというテーマで講師にお声がけいただいたのでした。終了後も大分の熱い栄養チームと、高齢者の栄養ケアについて熱く語り合いました。
日本で在宅栄養サポートが普及しないのは、やはり構造的な問題ではないかと思います。
通院困難な高齢者や慢性疾患の方の多くは低栄養状態、栄養ケアは本来であれば継続的・計画的な医学管理の中核的介入の1つであるはずです。しかし、多くの在宅患者は適切な介入が行われず、低栄養状態で放置されたままです。
なぜなのか。
日本の栄養ケアは、「病院」や「施設(特養・老健)」では基本メニュー(基本料金)に含まれています。わざわざオーダーしたり、それに対して個別に費用を支払う必要はありません。

一方、「在宅」では栄養ケアは「追加メニュー」。
栄養ケアを提供するためには、誰かが低栄養に気付き、そして医師が栄養ケアをオーダーする必要があります。そこには事務的手続き、ケアマネの協力、そして追加費用が発生します。患者さんやご家族は、病院や施設ではわざわざオーダーする必要のない栄養ケアを受けるためにいくつもの書類にハンコを押し、そして「訪問栄養食事指導」という仰々しい名前のサービスを購入する必要があります。
ここを病院や施設のように「基本メニュー」に入れてしまうことはできないでしょうか。入院基本料に栄養ケアが含まれているように、在宅時医学総合管理料に栄養ケアを含むことはできないでしょうか。
実施加算か、未実施減算か、どちらでもよいですが、栄養ケアを一定の点数で普遍的に管理料に組み込む。たとえば500点、一定規模の在宅医療機関はそれを原資に管理栄養士を雇用できる(患者100人なら50万円)し、管理栄養士の介入もしやすくなる。栄養ケアは否が応でも普及すると思うのです。
もちろん、栄養ケアを行うことを目的化するのではなく、きちんとアウトカムを追いかける。平時の栄養ケアに加え、退院直後の移行期の食支援は特に重要です。体重や身体機能の回復に加え、30日後、90日後の再入院率を下げに行く。具合が悪くなるのをまって救急搬送、緊急入院、ではなく、その頻度をできるだけ下げる。
レセプト研究によると低栄養による日本の超過医療費は98億ドル(1.5兆円)ともされます。食べる喜び、という関わりだけではなく、科学的根拠に基づいた医学介入としての栄養ケアを、在宅医療の領域でもう少し積極的に取り組むべきだと思うのです。
もちろんその上流で、高齢者の低栄養・サルコペニアをできるだけ防ぎ、元気でい続けてもらう、というのも大事なこと。

東口先生が掲げる「社会栄養学」の旗印の下、WAVESで別府に、そして巣鴨に、出雲に、北千住に集まったことを思い出します。今日の大分メンバーもWAVESと重なります。
スーパーじいちゃん、スーパーばあちゃんを増やそう!またあの時のみんなで、あの活動を再開できたらな、と時々思います。
大分のみなさん、素敵な時間をありがとうございました。
またお会いできるのを楽しみにしています。
とりあえず来年の日本在宅医療連合学会@東京で!

佐々木淳

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