神戸の夜景と、医療のこれから

病院経営者の方々に「病床はこんなにいらない、撤退も視野に今後の経営を考えろ」という話をしてほしいという恐ろしい依頼をいただき、兵庫県全日本病院協会で講演させていただきました。
日本の人口あたり病床数は、日本を除く先進国平均の約3倍。
人口減少と医療の高度化で入院依存度も徐々に低下しています。
入院しないと意思表示する要介護高齢者も、ホスピス型住宅のように医療ケアニーズを吸収できる場所も増えています。
高齢化に伴って入院ニーズはまだ増えるというのは楽観的な予測であるように思います。
しかし、将来が楽観視できないのは在宅医療・訪問診療も同じです。日本のように医師自ら患者の家を定期的に訪問する国は他にはないと思います。しかし、訪問看護の在宅での医療対応能力が向上し、オンライン診療が普及すれば、医師の患者訪問は臨時往診も含めその依存度が下がっていくはずです。
病院も在宅医療も保険診療は、国の定める大きな方向性、診療報酬制度に従って淡々と行っていくしかありません。しかし、人口の減少、高齢化×重老齢化の進行、世帯構成の変化は回避不可能な未来です。社会保障財源も厳しさが増していきます。一方で、テクノロジーは進化し、患者の自己負担が増加すれば、消費者としてよりコストパフォーマンスの高いものが選択されることになるのでしょう。
日本には日本のナラティブがあります。
欧米よりベッドが多いから減らせ、というのが最適解なのかどうかはわかりません。
いずれにしても、医療機関経営者は、「診療報酬制度に最適化」だけではなく、5年後10年後20年後の未来を見据え、具体的な生存戦略を考える必要があります。
安全地帯はどこにもない。
変化していく社会のニーズに、柔軟に対応し続ける意欲を失えば、病院も外来も在宅も生存は保証されません。
意欲的な病院経営者の方々との意見交換は、単に医療介護保険事業にとどまらず、地域のインフォーマルサービスやインバウンド・アウトバウンドを含め非常に幅広く、同じ経営者として、僕にも大きな気づきと学びがありました。
貴重な機会を頂戴しました譜久山先生はじめ関係者の皆様、ありがとうございました。
神戸の美しい夜景。
阪神淡路大震災が襲ったのは31年間の今日。
地域医療はこの街の復旧・復興にも大きな力を発揮しました。
病院・医療機関の存在意義を、改めて考えてみたいと思います。
それにしても新神戸駅はあまりにも大自然で、いつも降りる場所間違えたかと不安になります。

