公的財源で仕事をする上での一定の「自制心」

「いい会社」って何だ?

経営者であれば一度は必ず、いや毎日、いや24時間考え続けているテーマかもしれません。
昭和の時代は「とにかく1番」。地域で一番、業界で一番。それがいい会社でした。
平成の時代、ここに社会性や独自性、顧客価値などが加わりました。
そして令和の現在、持続可能性と成長の両立が重要視されるようになりました。
どのような状況でも業績を伸ばし持続的に成長できる強さ。
そしてより広いステークホルダーを思いやれる優しさ。

この両者を兼ね備えた企業こそが現代の「よい会社」=Sustainable Growth Company。世の中をよくするために、よい会社を1社でも多く増やすこと、成長させること。そんな目的でスタートしたサステナグロースカンパニーアワードの授賞式に招待されました。

受賞企業はどこも素晴らしい業績です。
理念が明確で人的資本を中核とした経営が実践されている。

素晴らしい!と思いつつ、しかしこれらの基本さえきちんと踏襲していれば、企業経営はうまくいくのかというと決してそういうわけでもありません。

そこには「運」という大きな要素、タイミングという大きな律速段階があります。
現在、成功している経営者の最大の成功要因はおそらく「運」。

ただ、運がよければ成長できるというわけではない。日ごろから努力し「その時」に備えていなければ、運が回ってきたときに、それに気づき、それをキャッチし、それを成功・成長につなぐことはできません(なかにはそれもたまたまうまくいったという強運の持ち主もいるとは思いますが)。

回ってきた運をしっかりと掴み取る&掴みとどめること、そしてそれを持続的な成長に、そして社会への価値の還元にと良循環を回していくこと。この2つが経営者としての仕事なのだと思います。

加えて医療介護業界において意識しなければならないのは、企業の業績=社会の支出である、ということ。そして目の前の顧客と、費用負担者が同一ではないということ。

粗利が大きければよしとされるのが一般企業。しかし医療介護において粗利の大きいということは何を意味するのか。収益に応じた社会への価値の還元が行われていなければ、それは不純な利益かもしれませんし、健全な成長であるとは言えません

顧客がお金を払わなくてもサービスが売れる。この状況をビジネスの専門家がみたらなんと美味しい業界なんだろうと思うかもしれません。だからこそ医療介護領域での事業提供には専門職としてのプロフェッショナルオートノミ―が求められるはず。昨今の在宅医療関連のさまざまな新しいビジネスモデルを見るにつけ、特に公的財源で仕事をする上での一定の「自制心」の必要性について改めて考えました

アワードはワールドビジネスサテライトに出演されていたアナウンサーの森本さんがMCを務められ、終始華やかな雰囲気でした。このちょっとギラギラした感じは医療介護系にはない雰囲気。ちょっと新鮮です。

筑波大の先輩でファミール産院を展開されている杉本雅樹先生にも初めて対面でお会いできました。ほかにも先進的な医療機関経営を実践されている法人理事長の先生方と意見交換をさせていただき、有意義な時間でした。

主催の船井総研さんからは2冊の本をいただきました。
勉強させていただきたいと思います。

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