食べることは、生きること ― 在宅医療に三位一体を
第2回生活期リハビリテーション医学会学術大会。
スポンサードシンポジウムで貴重講演を仰せつかりました。
リハ×口腔×栄養の三位一体のアプローチ。前々回の診療報酬改定からクローズアップされ、現在は急性期から回復期、慢性期、そして施設においても診療報酬による評価をバックに強力に推進されています。
しかし、在宅医療においてはリハのみが提供されているケースが大部分。効果的な介入ができていないばかりか、摂食嚥下障害や低栄養の進行により、脆弱性疾患による急変・入院・死亡のリスクが放置されています。
また食べることは単なる栄養補給ではありません。
食事を楽しむ、生活や人生を楽しむこと、そのものが食べる機能を維持する上で有用なのではないかと東京科学大学の中川先生は研究結果を共有してくれました。
病院では食べられないとラベリングされ、在宅でのケア継続が困難と判断され、施設入所の方針となった高齢者、どうなってもいいから自宅に帰りたいと退院し、ラーメンをいっぱい20分で完食したケース。悠翔会で訪問看護に取り組む椎名さんは、生活から離れた環境における高齢者の脆弱性とその評価の難しさを問題提起してくれました。
管理栄養士の川口先生は、食べることが普通のこと、病気の治療などよりも優先順位が低いと認識され、結果として支援が必要な人も介入されずに放置されている現状を、3つのケースを通じて丁寧に説明してくれました。
また、自身が大学病院で栄養サポートチームを立ち上げた際に、当初は医師の協力が得られなかったこと、しかしその医師が家族の病気療養の介護当事者となりサポートの重要性を理解してくれて、最終的には強力な味方になってくれたと言うエピソードを紹介してくれました。
医師は栄養サポートの最大の障壁となり得る。
同時に最大の推進力ともなり得る。
医師免許の持つ責任と権限の大きさ、それに見合った行動が私たちはできているでしょうか?
これだけ栄養ケアの重要性がクローズアップされているのに、管理栄養士による訪問栄養食事指導が、他の職種に比べて1000分の1程度しか実施されていない現状は、やはり医師の無関心に最大の問題があるのだと思います。
ちょっと情けない話ではありますが、入院基本料や施設での基本療養費に栄養ケアが包含されているように、在宅においても、わざわざオーダーしなくても自動的にセットでついてくる、基本的要件の1つにするしかないのかもしれません。
いずれにしても、栄養ケアの重要性を改めて認識する2時間となりました。
座長かつ大会長の石垣先生はじめ、貴重な機会を頂戴しました関係者の皆様、ご一緒させていただきました講師の皆様、ありがとうございました。
そしてバンコクでご一緒した飯島先生とこちらでもご一緒でした。
佐々木 淳


